フルリモートで働くSEの皆さん、「気がつけば今日も8時間以上、椅子に座りっぱなし」ではありませんか?
タスクに集中したいのに、夕方になると襲ってくる腰の重さ、肩甲骨の激しい痛み。そして、リモートワークと子育てを両立しようとすれば、腰痛はさらに悪化しがちです。
私も3歳と1歳の子を持つフルリモートSEであり、その痛みと生産性の低下に長年悩まされてきました。
しかし、その悩みを解決する武器が私にはありました。
はじめまして、元理学療法士(PT)で、現役SEの「ゆうき」です。
この記事では、身体の専門家(PT)の視点と、長時間労働をするSEの経験という、2つの視点から、「座りっぱなしでも疲れない椅子の選び方」を徹底的に解剖します。
高価なオフィスチェアを「なんとなく良さそう」で選んで失敗する前に、この記事で【科学的根拠に基づいた理想の着座姿勢】と、それを実現する【失敗しない椅子の3大チェック機能】をマスターしてください。
この記事を読めば、もう高額な椅子選びで迷うことはありません。あなたの健康と生産性を守るための「正しい投資」を、一緒に始めましょう。
Contents
【科学的根拠】なぜ「座りっぱなし」で腰・肩が壊れるのか?
そもそもなぜ「座りっぱなし」で腰・肩を痛めてしまうのでしょうか。
まずはその理由を理学療法士の視点から解説します。
疲労の正体は「静的疲労」と「血流の悪化」
「座りっぱなし」で疲れてしまう原因は大きく二つあります。
それは「静的疲労」と「血流の悪化」です。
静的疲労とは文字通りじっと動かないことによる疲労です。「たくさん動いて疲れた〜」とは違うタイプの疲労ですね。
「じっとしているなら疲れないのでは?」と思ってしまいますが、「一歩も動かないで!」と言われてじっとしているのは大変だった、という経験は誰しもあるのではないでしょうか?
案外「じっとしている」は疲れるものなのです。「だるまさんがころんだ」はそれを利用した遊びですね。
またそれに加えて、座りっぱなしで筋肉の動きが少ないことで血流が悪くなります。
筋肉は血流を良くするポンプの役割を持っています。そのポンプが動かなければ血流も当然悪くなってしまいますよね。
血流が悪くなると、疲労物質などが滞留するようになり「疲れた、しんどい」がより強くなります。
すべての元凶は「骨盤の後傾」とS字カーブの崩壊
「座りっぱなし」は疲れるだけでなく腰痛、肩こり、頭痛を悪化させることもあります。
腰痛、肩こり、頭痛を悪化させる元凶は、スバリ「骨盤の後傾」です。
本来骨盤はやや前に傾き、それに合わせて腰椎(背骨の腰の部分)は前向きにカーブしています。
そこからS字になるように胸椎(背骨の肩甲骨あたり)は後ろ向きカーブ。頸椎(背骨の首のあたり)は軽く前向きカーブしながら頭が体の真上にくるように支えます。
このS字カーブによってできるだけ負担なく体を支えるように人間の体はできています。
しかし骨盤が後ろに傾くと、それに合わせて腰椎は後ろ向きにカーブします。
すると、胸椎は本来の形より後ろ向きカーブが強くなり、頸椎はまっすぐ気味になり頭が体の真上で支えられなくなります。
その結果背骨のS字カーブは無くなってしまい、腰、背中、首の各所に負担がかかり、腰痛、肩こり、さらには頭痛まで起きてしまいます。
元PTが教える!SEのための「疲れない理想の着座姿勢」3原則
座りっぱなしによって疲れること、骨盤が後ろに倒れることで腰痛、肩こり、頭痛が悪化することを解説しました。
ではそうならないためにどうしたらいいのか、理学療法士として解説します。
【最重要】骨盤を立てるための「正しい座り方」
「骨盤が後ろに傾く」が原因なので、骨盤を立てて座るようにしましょう。
具体的には、お尻の柔らかいところではなく、もっと下の足の付け根にある「坐骨」という骨に体重がかかるイメージです。これが一番大切です。
お尻と椅子の間に手を差し込むとゴツゴツした骨が見つかると思います。それが坐骨です。
坐骨に体重がかかるようにして座ると、自然と骨盤が立ち、背筋がスーッと上に伸びる感覚になると思います。
この状態が、背骨がS字になり、腰、肩、首への負担が少ない姿勢です。
足裏と床の角度:体重を分散させる隠れた重要ポイント
椅子に座った時、足の裏はしっかりと床についていますか?
足裏が床についているかどうかで体の踏ん張り、つまり姿勢の保ちやすさが大きく変わります。
足が浮いてしまうようであれば、台を置くなどして調整することをおすすめします。
また、膝の角度はどうでしょうか。理想は90度です。
膝の角度が90度より大きくても小さくても骨盤を良い姿勢でキープしにくくなります。
太もも裏でも体重を分散してしっかりと支えるためにも、膝の角度にも注意をしたいところです。
肘・手首の正しい角度:腱鞘炎と肩こりを防ぐ設定値
最後に肘、手首の角度はどうでしょうか。
肘は90度、手首は自然に手を置いた形で、変に反ったり曲げたりせずそのままタイピングできるのが良いです。
肘の角度が合っていないということは、肘の位置が上がりすぎているか下がりすぎているかのどちらかだと思います。
そうすると肩に負担がかかってくるので、肘の位置にも気をつけましょう。
【失敗しない】理想の姿勢を実現する「椅子の選び方」3つのチェック機能
より良い姿勢で座れるようにするためにはどういった椅子を選べばいいのか、具体的な機能について解説します。
骨盤を支える「ランバーサポート」は調整機能が命
まずは一番重要な骨盤を支えるランバーサポートです。
ランバーサポートは骨盤を支えることで背骨のS字カーブが正しい形でキープできるようサポートしてくれます。
ただし、人によってS字カーブの具合はちょっとずつ違います。
ランバーサポートが合っていない椅子に座ると逆に腰への負担が増えてしまう可能性もあるため、自分に合った形に細かく調整できるものが理想です。
日本人の体型に合わせられる「座面の奥行き調整」の必要性
あまり意識しない部分かもしれませんが、座面の奥行きも重要なポイントです。
理想は座面の端とふくらはぎの間にこぶし一つ分の隙間が空くくらいです。座面の奥行きが小さいと太もも裏への圧が強くなり疲れやすくなります。
逆に奥行きが大きいと背もたれに背中が着かなかったり、無理につけようとして背中が丸くなり姿勢が悪くなることもあります。
休息と集中を両立する「リクライニングとヘッドレスト」
作業の合間などに少し休憩したり、考え事をしたり、そんな時にはリクライニング機能が必要です。
また、頭を支えるサポートをしてくれるヘッドレストも肩こりを軽減させるために重要なパーツです。
【価格帯別】元PTパパが厳選!リモートSEにおすすめの椅子3選
ここまで解説した内容をベースに、私がおすすめする椅子をいくつかご紹介します。
集中力と健康を「投資」と考えるSEへ
高価ではあるがそれに見合っただけの機能を持ち、「集中力と健康への投資を惜しまない」という方におすすめな椅子です。
ハーマンミラー アーロンチェア
まず一つ目はハーマンミラーのアーロンチェアです。
骨盤、腰椎をサポートすることで骨盤が後ろに傾くのを防いでくれます。サポートの位置や強さも自由に設定可能!
また、座面の高さを変えられるのはもちろん、座面の傾きや肘掛けの高さ・向きも調整することができ、自分にピッタリの座り姿勢をかなり細かく調整することができます。
正直ここまで細かく調整できるのはシンプルにすごいです。高額なものではありますが、この先数年〜数十年使い続けることを考えるとコストパフォーマンスとしては悪くないと思います。
オカムラ コンテッサ セコンダ
次に紹介するのはオカムラのコンテッサ セコンダです。
調整機能の豊富さはハーマンミュラーのアーロンチェアと遜色なく、さらに座面の奥行きまで調整することができます。
また肘置きの前方に各調整用のボタンが設置されているので、椅子に自然な形で座った状態で各所の調整をすることができます。
日本の会社、というのもポイント高いです。
主要機能を抑えた、最初の一脚
価格を抑えつつも機能は妥協したくない!という方におすすめな椅子です。
イトーキ サリダ YL9
頭部をサポートしてくれるヘッドレスト、9段階の高さ調整が可能なアームレスト、座面の高さ・奥行き調整が可能な高機能な椅子です。
独立したランバーサポートはありませんが、背もたれの腰の部分がしっかり目に作られており、その部分で自然と支えるような設計となっているようです。ランバーサポートは独立して細かく調整できる方が良い!という場合は同じくイトーキのサリダ YL8がおすすめ。
価格は5万円以内に抑えつつ機能は必要なものが十分に揃っており、初めての本格オフィスチェアとして最適です。
狭い部屋でもOKなコンパクト高機能モデル
リモートワークの困りごとの一つに「部屋の中に仕事スペースを確保するのが大変」がありますよね。
普通は家のプライベートな生活だけでいっぱいいっぱい、更にその中に仕事のスペースを作ろうというのだから大変なのは当たり前です。場合によっては家族から反感を買ってしまうこともあるでしょう。
ということで狭い部屋でもOK、更に機能もOKな椅子を選んでみました。
コクヨ Mitra2
- ランバーサポートあり
- 座面の高さ・奥行き調整あり
- アームレストは高さ・前後調整可能
と中々の高機能でありながら、オフィスチェアにありがちなゴツい感じが少ないです。前述のイトーキの「サリダ YL9」が奥行き70.5cmですが、Mitra2は60cm以内に収まっておりすっきりしている感じ。
必要な機能は揃えつつ、カラーバリエーションも豊富で華やかなデザインであり、家の中にあってもおしゃれな感じが◎。
まとめ:高価な椅子は「健康への投資」である
本記事では
- 座りっぱなしによって腰痛、肩こり、頭痛が悪化する可能性があること
- それを防ぐためにどのような姿勢を意識したらよいのか
- そのためにはどのような椅子を使用するのがよいのか
を解説しました。
高機能な椅子は確かに高額ですが、健康への投資と思えば妥当と思えるのではないでしょうか。
一日8時間座るわけですからね。寝てる時間とほぼ同じだと思えばベッドを始めとする寝具と同程度の投資をするのは当然とも言えます。
あなたの姿勢は椅子で決まる:最終チェックリスト
改めてよい姿勢についておさらいしましょう。
- 骨盤が後ろに傾かずに立てられている
- 足の裏はしっかりと床に着いている
- 膝の角度は90度
- 肘の角度も90度
- 手首は反り返ったりせず自然な形
一つ一つ意識するのは大変ですが、高機能な椅子はこれらを叶えるための機能が盛り沢山なので、最初に調整すればそれ以降はいちいち気にしなくても自然とよい姿勢で座れるようになりますよ。
椅子と一緒に揃えたい生産性向上アイテム
本記事では椅子について解説しましたが、他にも生産性を向上させるために必要なアイテムがあります。
- デスク
- モニターアーム
- キーボード
- マウス
- etc...
どんどん記事追加していきますので、また読んでいただけますと嬉しいです。
椅子を始め、リモートワークにおいて生産性をあげるアイテムは自分で選び調達しなくてはなりません。すでにいいものが揃っているオフィスとは違うのです。
一気に全部を揃えるのは難しいですが、重要なものからちょっとずつ揃えていき、理想のワークスペースを作り上げることができると素敵ですよね。
まずは椅子から検討してみてはいかがでしょうか!