フルリモートで働くSEの皆さん、「ウィンドウの切り替え」に貴重な作業時間を奪われていませんか?
タスク管理、コード、資料、チャット… 気がつけば毎日数十回もマウスでウィンドウを移動させ、無駄な「認知コスト」を支払い、集中力を削がれているはずです。
私も地方在住のフルリモートSEとして、当初は「狭い部屋だから…」と諦めていましたが、ある方法でトリプルディスプレイ環境を実現しました。結果、残業時間が減り、生産性が爆発的に向上しました。
この記事では、現役SEの視点から、高性能なモニターへの投資が「残業時間を減らす最も早い道」である理由を解説。さらに、地方の狭い部屋でもスッキリとトリプルディスプレイを構築する「ライフハック術」をすべて公開します。
Contents
【SEの常識】なぜトリプルディスプレイが必要なのか?「時間コスト」の科学
ウィンドウ切替の「認知コスト」がSEの生産性を奪う
まずなぜトリプルディスプレイが必要なのか解説します。理由は単純で、ディスプレイが複数ある方が集中が維持しやすく生産性を高くできるからです。
ではなぜディスプレイが複数あると生産性が上がるのか。理由はスイッチングコストを抑えることができるからです。
スイッチングコストとは、何かしらの別の作業に切り替える(スイッチする)時に発生する脳への負荷のことを言います。
- 設計中に仕様確認のチャットが来て返信した
- コーディング中に仕様を確認するため設計書を探した
- コードの書き方を調べるためにブラウザで検索した
これらは全てスイッチングコストが発生しています。スイッチングコストが少なければ少ないほど目の前の作業に集中でき、生産性を高くできると言われています。
業務上スイッチングコストが発生することは仕方がないです。宿命です。しかし、この時ディスプレイが一枚だけだと
- ウインドウ一覧を出す
- 必要なウインドウを探す
- ウインドウを選び表示する
という工程が必ず挟まることになります。毎日何十回と作業をスイッチする度にこれらの工程が挟まる…とても非効率だと思いませんか?少しでもスイッチングコストを減らして脳への負荷を減らしたいのに、この工程は無駄でしかありません。
そこでトリプルディスプレイの出番です!トリプルディスプレイだとどうでしょうか。
- コーディングツール(VScodeやIDEなど)
- 仕様書などの資料
- 連絡用のチャットツール(teams、slackなど)
全部表示できます。ウインドウを切り替える必要がありません。
スイッチングコストをできるだけ少なくして脳の疲労を減らし、本当に使いたいところに脳の力を使う。そのためにもトリプルディスプレイは必須なのです。
地方・リモートSEこそトリプルが必須な「2つの理由」
地方でリモート勤務している人こそトリプルディスプレイは必須です。それには2つ理由があります。
- 対面コミュニケーションができない分、他の部分で生産性を上げる必要があるから
- オンライン会議で資料を参照したり画面共有したりするのに便利すぎるから
まず前提として、コミュニケーションにおいてはオンラインではなくオフライン(対面)の方が効率は絶対良いです。会話へのハードルが下がる、顔が見えるから話しやすいというだけでなく、その場にいないとわからない空気感などもコミュニケーションの大切な要素になっているからです。
つまりリモートワークはコミュニケーションにおいてはハンデを背負っている状態なので、別の部分の生産性を上げてカバーしないといけません。そのためのトリプルディスプレイです。
また、トリプルディスプレイはオンライン会議でも大活躍します。
- 会議ツールを開きながら、別画面で資料を参照できる
- 他の参加者の顔を見ながら自分の画面も共有できる
もしディスプレイが一つだと、参照する資料が複数ある場合はしょっちゅうウインドウを切り替えてないといけません。会議画面を見ながらメモを取るにも苦労するでしょう。自分の画面を共有する場合は他の参加者の顔が見えなくなってリアクションが分からなかったり、他の資料を見れなかったりもします。
以上の理由から、リモートワークにはトリプルディスプレイは必須の「業務インフラ」と言えます。
ちなみにウルトラワイドモニターを一枚ドンと使う、という選択肢もあります。しかし、オンライン会議で画面を共有した際に「ウインドウ」ではなく「画面」を選択していると、横長な画角になり他の参加者には少し見にくいというデメリットがあります。カッコよくて憧れますけどね…。
失敗しない!フルリモートSEのための「高性能モニター選び」3つの基準
では実際にどのようなディスプレイを使えばいいのでしょうか。それを考えるには3つの観点があります。
5K/4K/WQHD:画面の「情報量」と「解像度」の最適バランス
まずは解像度です。メインの業務内容が何かによって変わってきますが、コーディングがメインの場合は4Kがおすすめです。
私はフルHDのモニターを長く使っていましたが、「シンプルなエディターなら問題ないが、IDEになると厳しい」という感覚でした。もちろんコーディングができないわけではないのですが、IDEはエディターと比べて画面内に出す情報量が多くなるので、解像度が低いとコーディングするスペースが小さくなりがちです。
一方で
- シンプルなエディターしか使わない
- 仕様書などのライティングがメイン
であれはWQHD、フルHDでも十分だと思います。価格も安価に抑えることができます。
- デザインがメイン業務
- モニターは最高のものが欲しい
であれば5Kモニターですね。ただモニターのスペックが上がると比例してPCのスペック(とお金)も要求されるようになるので注意が必要です。
まとめると以下のようになります。
| 用途 | 価格 | |
| 5Kモニター | デザイン 最高のモニターを望む | 高い |
| 4Kモニター | コーディング コスパのバランス良い | そこそこ |
| WQHDモニター | ライティング | 安くできる |
モニターサイズ:デスクの奥行きと「最適な目との距離」の関係
モニターサイズは大きいほどいいと思っていませんか?確かにサイズが大きいほど作業スペースが大きくなるので便利にはなりますが、一方でデスクの奥行きが狭いと大きなモニターは視点移動が大きくなって疲労の原因になることも。特にリモートワークの場合はそこまで大きなデスクは部屋に置きにくいですよね。
そこでモニターサイズは27インチを基本に考えましょう。それ以上大きくなると視点移動による疲労だけでなく、軽く見上げる姿勢になり首〜肩の疲労が溜まりやすくなります。
どうしても大きいモニターが欲しい、であればワイドモニターで湾曲しているものを選びましょう。湾曲していると若干ではありますがモニターが自分の方を向く形になるため視点移動が少なくて済みますし、モニターの端の方も見やすくなるので眼の疲労を抑えることができます。
また、パネルの種類はIPSがおすすめです。IPSにするとモニターの端の方でもはっきりくっきり見やすくなるので、眼の疲労を抑えることができます。
モニターのサイズやパネルの種類が不適切だと姿勢の悪化・眼精疲労の原因になる可能性がありますので気をつけたいですね。
インターフェース:電源一本化も可能!USB-C(PD機能)は必須
ここからはあったらベターな機能の話です。
まずケーブル問題を解決するためにUSB-Cで画面出力と充電が同時にできるPD機能があるものがおすすめです。
トリプルディスプレイを実際に導入して最初に感じるのは「コード多い!机の上が配線だらけ…。」です。外付けモニターの数だけ電源ケーブルと画面出力用のケーブルが必要ですから当然といえばそうですね。
これを解決するためにPD機能のあるモニターを選びましょう!机の上の綺麗さはタスクへの集中度合いに影響しますよ…。
他にはKVM機能のついたハブもあると便利ですね。
KVM機能とは、マウス・キーボード・モニターなどのツールを複数のPCで共通で使えるようになる機能です。モニターなどは同じものを使いつつ、ケーブルの差し替えはせずスイッチで使用PCを変更できます。
これがあればお気に入りのツールを仕事だけでなくプライベートPCでも簡単に利用することができますよ。
【狭い部屋で実現】トリプルディスプレイ環境を構築する「ライフハック術」
リモートワークでトリプルディスプレイを実現しようとした時、一番ネックになるのは設置スペースです。大きな机で広々と使えるなら良いですが、限られた部屋のスペースでなんとかかんとか、というのが現実だと思います。
そこで、ここでは限られたスペースでも快適なワークスペースを実現する方法を解説します。
デスクを広く使う「モニターアーム」の選び方と導入ステップ
トリプルディスプレイを実現するには、モニターアームは必須アイテムです。
モニターアームがなくてもモニターに付属の「脚」を使えば使用自体には問題ありません。しかし、
- 限られた机の上のスペースを有効活用する
- モニターを適切な位置に配置する
これらのためにはやはりモニターアームが必要です。
モニターアームを使用するにあたって注意点がいくつかあります。
注意点
- 机の厚さ
- 机の耐荷重
- 天板裏のフレーム
まず机の厚さです。モニターアームはかなり重量のあるモニターをつけた状態で、机を挟む力で支えます。ボルトなどで机にガッチリ固定する方法もありますが、
- 後から位置を調整したい
- 取り付け時の手間がかかる
などの理由から挟む方式でモニターアームを使用する人がほとんどかと思います。
モニターはかなりの重さがあるので、しっかり固定するために机に厚さがないといけません。商品紹介の中に「最低何mm以上の厚さがあること」と記載があるはずなので必ず確認するようにしてださい。
また、モニターだけでなくモニターアームも結構な重さになります。モニターとモニターアームを合わせた重さが机の耐荷重を超えていないかも確認しましょう。
最後に気づきにくいのが天板裏のフレームです。机の強度にために、天板の裏にフレームが付いていることがあります。モニターアームで机を挟む時、段差があるとしっかり固定できず危険です。天板にフレームが付いていると段差に邪魔されてモニターアームがつけられないことがあるので注意が必要です。
【価格帯別】現役SEが厳選!生産性を最大化するおすすめモニター3選
では具体的に価格帯別でおすすめのモニターを解説します。
【最高峰モデル】:デザイナーも納得の高画質 5K・高リフレッシュレートモデル
価格も品質も最高レベルのものです。
Dell UltraSharp U4025QW
おすすめポイント
- 5K2K(5120x2160)の曲面ウルトラワイドモニター
- USB-Cで出力と給電がまとめてできるので配線周りもスッキリ
- リフレッシュレートも120Hzと高水準、PCが対応していればヌルヌル動いてくれる
解像度は文句なし。1枚のモニターで全てを賄える大きさのウルトラワイドモニターです。ウインドウ切り替えやモニターからモニターへ移動する煩わしさから解放されます。
Apple Studio Display
おすすめポイント
- 5Kモニター
- Appleの純正品なのでMacとの相性はバッチリ
- 色味などの視認性が高評価
- 内蔵カメラ、マイクはあまり期待できないかも
Apple純正品なのでMacとの相性は言わずもがな。Macユーザーで「見え方」にこだわる方におすすめです。
【高コスパモデル】:SEの必須機能を抑えた4K・WQHDモデル
性能と価格のバランスを重視したものです。
Dell S2725QC
おすすめポイント
- 27インチの4Kモニター
- USB-Cで映像出力と給電が可能
- IPSパネルでモニターの端まで見やすい
この価格で必要な機能が全て揃っており、「最初の4Kモニター」として最適です。
LG 27U631A-B
おすすめポイント
- 27インチのWQHDモニター
- USB-Cで映像出力と給電が可能
- IPSパネル
- リフレッシュレートは100HzでSE的には十分
こちらも必要な機能は揃っているので4KにこだわりがないくWQHDで十分な方にはかなりおすすめです。4Kでない分コストも抑えられます。
【サブディスプレイ特化】:縦置きも簡単なモバイルモニター
ここからは省スペースに特化したものを紹介します。
ASUS ZenScreen MB16ACV
おすすめポイント
- 16インチで小さいので持ち運びに便利、外出先でも複数ディスプレイが可能
- 縦置きにもしやすい
- USB-Cで映像出力と給電が可能
小型で持ち運びがしやすいので、「外出先でも複数ディスプレイで快適に作業がしたい」という方におすすめです。
また縦置きにもしやすいので、チャットやドキュメント参照用に縦向きで使用するのもいいですね。ソースコードもブラウザも縦方向にスクロールするのが基本なので、縦向きのモニターが一枚あると快適さが一段上がります。
まとめ:環境構築は「投資」である
トリプルディスプレイが必要な理由と具体的な導入方法について解説しました。
トリプルディスプレイのメリット
- スイッチングコストを抑えて生産性を高くできる
- オンライン会議が快適になる
モニターを購入する際は以下の点に気をつけましょう。
モニター購入時のチェックリスト
- 机の耐荷重は問題ないか
- 机の天板はモニターアームを取り付けられるだけの厚みがあるか
- 天板の裏に補強用のフレームが付いていないか
- 解像度はいくつにするか(SEなら4K or WQHD以上)
- モニターサイズはいくつにするか(27インチがおすすめ)
- USB-Cに対応しているか
快適なリモートワーク環境を構築するのは自身の生産性を高く維持するための「投資」です。
本記事の内容を参考に、ぜひトリプルディスプレイを導入してみてください。