「良い椅子に座っているのに、なぜか腰が重い……」
「気づくと椅子の上で足を組んだり、行儀が悪くなったりしてしまう」
フルリモートSEの皆さん、その原因は「足の裏」にあるかもしれません。
実は、理学療法士の視点から見ると、正しい座り姿勢の基本は「足の裏がしっかりと床についていること」です。足が浮いたり、爪先立ちになったりしていると、骨盤が不安定になり、どれだけ良い椅子でも性能をフルに発揮できません。
この記事では、元PTの現役SEである私が、
- なぜフットレストが腰痛対策に不可欠なのか(解剖学的理由)
- 失敗しないフットレストの選び方
- 現役SEが愛用するおすすめモデル
を徹底解説します。
Contents
【PTが解説】足が浮くと「腰」が死ぬ理由
なぜ「足の裏」が腰痛に関係するのでしょうか?キーワードは「骨盤の安定」です。
足底(足の裏)は姿勢のセンサー
足の裏が地面についていないと、身体は「不安定だ」と感知し、無意識に腰周りの筋肉を緊張させて姿勢を保とうとします。これが持続的な疲労(静的疲労)に繋がります。
少し詳しく説明します。
人間はじっと止まっているように見えても実は小さく常に動いています。「全く動かない」をするためには筋肉を常に緊張させていなくてはならず、それはとても効率が悪いので「常にちょっと動いているけど常にバランスを取り続けている」という戦略を取っています。
これは椅子に座っている間も同じです。
この「常にバランスをとる」ためには足裏が地面についていることが重要です。なぜなら、足裏がセンサーとして姿勢や重心の変化を感知し、足裏が地面を押す力でバランスを取るからですね。
もし足裏が地面から浮いてしまうと足裏の「バランス調整機能」が使えないので、「バランスを崩さないように体を硬直させよう」と無意識のうちになり、静的疲労へと繋がります。
ポイント
- 人間は常に少し動いておりバランスを取り続けている
- 足裏はバランスを取るための重要箇所であり、センサーとしてもバランス調整機能としても働いている
- 足裏が地面から離れると体を硬直させようとする
骨盤が後傾し、猫背を助長する
「足裏が地面につかないとバランスが取りにくくなり、体を硬直させようとする」と解説しましたが、実際ずっと体を硬直させるのはしんどいのでもっと楽な方法を探します。
- 骨盤を後ろに傾けて猫背になり、背中の筋肉の伸長性に頼る
- 反り腰にして背中の筋肉の力だけで支える
のどちらかです。
反り腰にするのは「足裏が浮いてバランスが取りにくいけど、なんとかいい姿勢を作らなくては!」という時になりがち。
PC作業をするときは楽な姿勢を選択するので、ほぼ間違いなく「猫背になって背中の筋肉の伸長性に頼る」になるでしょう。「背中の筋肉の伸長性に頼る」とは、体幹の筋肉でいい姿勢を保持するのではなく、猫背になって背中の筋肉が引っ張られる力で姿勢を保持する状態のことです。
つまり
- 足裏が浮く
- バランスが取りにくくなる
- 体を硬直させようとする
- しんどいから猫背になる
- 姿勢が悪くなり静的疲労が蓄積する
という悪循環に陥ってしまいます。
失敗しないフットレスト選び「3つの基準」
いい姿勢をキープするためには足裏が地面にしっかりと着いている必要があることを解説しました。
とはいえ、ただの台なら何でも良いわけではありません。SEが1日中使うなら、以下の基準で選びましょう。
① 高さが調整できるか
机の状況、椅子の高さ、自分の足の長さなど条件は千差万別です。どのような条件に対してもミリ単位で調整できるものが理想的です。
② 適切な傾斜(角度)があるか
足首が自然な角度(背屈10〜20度程度)で固定されると、ふくらはぎの筋肉がリラックスし、むくみの防止にも繋がります。
③ 滑り止め・安定性
力をかけた時にズレてしまうと、かえってストレスになります。自重があるものや、底面に滑り止めがあるものを選びましょう。
現役SEが厳選!おすすめフットレスト 3選
フットレスト選びの3つの基準をベースにおすすめフットレストを3つ解説します。
【王道・高耐久】スチール製フットレスト
おすすめポイント
- 高さ調整が6段階
- 天板のサイズが大きいので安定感◎
高さ調整が6段階も可能なので自分にピッタリの高さに調節できます。
また、天板のサイズが大きいので安定感がよく、姿勢を良くするためにグッと踏ん張っても大丈夫。
【快適性重視】クッションタイプ
おすすめポイント
- 肌触りが良く、冬場も冷たくない
- カバーを外して洗えるのも嬉しい
- 腰クッション、座面クッションと合わせて使うと◎
リモートワークで裸足で使うにはクッションタイプがおすすめです。高さ調節はできませんが、肌触りの良さとカバーを外して洗えるのはクッションタイプならではの良さ。
【狭い部屋の救世主】ハンモックタイプ
おすすめポイント
- 床に置くものが増えない
- 持ち運び可能
ちょっと変化球ですが、こういったハンモックタイプもあります。
最大のメリットは床に置かないでいいので足元がごちゃごちゃしないこと。ロボット掃除機を走らせることもできます。
PT直伝:フットレストを活かす「座り方の黄金ルール」
フットレストを置くだけでは不十分です。以下の手順でセッティングしてください。
- まず椅子の高さを決める: モニターに対して目線が真っ直ぐになる位置に調整。
- 足の状態を確認: その際、足が浮く、あるいは太もも裏が圧迫されているならフットレストの出番。
- フットレストを設置: 膝の角度が90〜100度、足首がリラックスできる位置(若干背屈(つま先上がり))に調整。
これでも足裏が浮き気味の場合、デスク自体の高さが高い可能性もあります。昇降デスクで自由に調整できるようにするのも選択肢としてはアリです。
まとめ:足元を固めて、エンジニア寿命を延ばそう
「フットレストなんて、ただの足置きでしょ?」と思っていた方も、その重要性が伝わったでしょうか。
足元が安定すれば、骨盤が立ち、背骨が整い、結果として首や肩の凝りまで軽減されます。10年後もバリバリ開発を続けるために、まずは自分の足元を見直してみてください。