「ゲーミングチェアって、エンジニアにも最適なんじゃないの?」
そんなイメージを持っている方は多いと思います。
実際、
- 見た目がかっこいい
- 包み込まれるような座り心地
- リクライニングが快適
などの理由から、在宅ワーク用として人気があります。
私自身も気になって実際に試したことがあります。
ただ、元理学療法士(PT)としての視点で見ると、長時間デスクワークとの相性にはかなり疑問を感じました。
特にエンジニアのように、
- 1日8〜12時間座る
- 集中して前傾姿勢が続く
- キーボード操作が多い
という働き方では、ゲーミングチェア特有の構造が逆に疲労を増やすケースがあります。
この記事では、
- なぜゲーミングチェアがエンジニア向きではないのか
- 元PT視点での理由
- 本当に重視すべき椅子選びのポイント
を解説します。
Contents
ゲーミングチェアは腰痛の原因になる?
最初に結論を書くと、エンジニアにとって重要なのは、「座った瞬間の快適さ」ではなく、長時間でも疲れにくいことです。
ゲーミングチェアは決して悪い椅子ではありません。実際、
- リラックス用途
- ゲーム
- 動画視聴
との相性はかなり良いです。
ただし問題は、「長時間PC作業に最適化されているか?」という点。
ここが、オフィスチェアと大きく違います。
元PTとして見ると、長時間デスクワークで重要なのは以下です。
- 骨盤を自然に立てやすい
- 姿勢を固定しすぎない
- 小さく動ける
- 圧迫が少ない
- 微調整できる
この観点で見ると、ゲーミングチェアには弱点があります。
理由① バケットシート構造が「動けなさ」を作る
ゲーミングチェア最大の特徴が、身体を包み込むような形状です。
これはレーシングカーのシートをベースにしているため。
- 横の張り出し
- 深い座面
- 強いホールド感
があります。
一見すると快適そうですが、デスクワークではこれが逆効果になることがあります。
長時間作業では「少し動ける」が重要
かなり重要だと思っているのがここです。
実は、人間の身体は同じ姿勢を続けること自体が負担になります。
だから無意識に、
- 骨盤を少しずらす
- 体重移動する
- 軽く前傾する
- 足位置を変える
などを繰り返して負担を分散しています。
しかし、ホールド感が強い椅子だと、この「微調整」がしづらくなります。
結果として起きやすいこと
特に多いのが、
- 腰が固まる
- 股関節が圧迫される
- 肩が前に入りやすい
- 首が前に出る
など。
つまり、「最初は快適だけど、数時間後につらい」という状態になりやすいのです。
ふっかふかのソファの方が腰痛になりやすい、と言う人もいらっしゃいますよね。
あれも同じで、骨盤が沈み込んで腰が丸まった姿勢で長時間動かないことが理由です。
理由② 柔らかすぎる座面は姿勢が崩れやすい
ゲーミングチェアはクッション性が高いモデルが多いです。
座った瞬間はかなり快適ですが、長時間作業では「柔らかすぎる座面」が問題になることがあります。
ふかふか=身体に優しい、ではない
座面が柔らかすぎると、骨盤が沈み込みやすくなります。
すると、
- 骨盤後傾
- 猫背
- 腰椎の丸まり
が起きやすくなります。
特にエンジニアは、
- キーボード操作
- モニター注視
- 集中姿勢
によって前傾姿勢になりやすいため、崩れた姿勢が固定されやすいです。
腰が丸まって頭が前に出る姿勢は腰痛・肩こりの大きな原因になります。
実際、PT時代に首・肩・腰の不調で病院にくる方に多かったのが「骨盤後傾+頭部前方位姿勢」でした。
この姿勢で固定されると首・肩・腰の痛みだけでなく内臓も圧迫されてよくないので注意です。
高級オフィスチェアが意外と硬めな理由
実は、長時間作業向けの椅子ほど「適度に硬め」です。
これは、
- 骨盤を支えやすい
- 体圧分散しやすい
- 姿勢を維持しやすい
から。
「柔らかい=高性能」ではないんですね。
理由③ ヘッドレスト頼みになると首肩がつらい
ゲーミングチェアは、
- 大きなヘッドレスト
- 深いリクライニング
も特徴です。
これはリラックス用途ではかなり優秀です。
ただ、エンジニアの作業姿勢とは少しズレがあります。
作業中、人は前を見る
デスクワーク中って、実際には、
- モニターを見る
- 少し前傾する
- キーボードに手を伸ばす
姿勢になります。
すると、ヘッドレストに頭を預け続けることはほぼありません。
合わないヘッドレストは逆に負担
特に位置が合わないヘッドレストだと、
- 頭だけ前に出る
- 首が浮く
- 肩が緊張する
ことがあります。
結果として、
- 首こり
- 肩こり
- 僧帽筋の緊張
につながりやすくなります。
エンジニアにおすすめな椅子とは?
では、エンジニアは何を重視すべきでしょうか?
元PT視点で重要なのは以下です。
調整機能が細かい
かなり重要です。
特に見てほしいのは、
- 座面高さ
- 座面奥行き
- アームレスト
- リクライニング強度
- ランバーサポート
など。
「高級かどうか」より、自分に合わせられるかの方が大事です。
骨盤を自然に立てやすい
長時間作業ではここが超重要。
理想は、
- 深すぎない
- 柔らかすぎない
- 前滑りしない
座面です。
座った瞬間より、「2〜3時間後にどう感じるか」を重視した方が失敗しにくいです。
動きやすい
実はかなり大事です。
疲れにくい椅子は、
- 適度に自由度がある
- 前傾しやすい
- 姿勢変更しやすい
特徴があります。
「固定力」より「動きやすさ」が重要です。
元PT視点でおすすめしやすいのはオフィスチェア
個人的には、エンジニアにはオフィスチェア系の方がおすすめしやすいです。
理由はシンプルで、「働くこと」に最適化されているから。
例えば有名どころだと、
- アーロンチェア
- Steelcase
- オカムラ
- コクヨ
など。
もちろん価格は高いですが、
- 長時間作業
- 姿勢変化
- 疲労軽減
をかなり研究して作られています。
おすすめのオフィスチェア
では実際どんなオフィスチェアがおすすめなのかと言いますと、5〜10万円の価格帯が調整機能が細かくコスパもよいです。
こちらの記事で具体的に比較検討しておりますのでぜひご覧になってください。
逆にゲーミングチェアが向いている人
ここまでかなり否定的に書きましたが、ゲーミングチェアが合う人もいます。
例えば、
- ゲーム中心
- 動画視聴が多い
- リラックス重視
- 見た目重視
- 短時間利用
なら全然アリです。特に「くつろぎ感」はかなり強いです。
なので、「何を目的に座るか」で選ぶのが大切です。
実は一番重要なのは「座り続けないこと」
最後に、元PTとして一番伝えたいことがあります。
それは、どんな高級チェアでも、座り続ければ身体はつらくなるということ。
実際、腰痛や肩こり対策で最も重要なのは、
- 立つ
- 動く
- 姿勢を変える
ことです。
だから個人的には、椅子だけでなく、
- 昇降デスク
- モニター位置
- キーボード位置
などもかなり重要だと思っています。
昇降デスクについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事で比較・検討しておりますのでぜひご一読ください。
まとめ
ゲーミングチェアとオフィスチェアの特徴を比較すると以下の通りです。
| 項目 | ゲーミングチェア | オフィスチェア |
|---|---|---|
| リラックス | ◎ | ○ |
| 長時間作業 | △ | ◎ |
| 姿勢変化 | △ | ◎ |
| デザイン | ◎ | ○ |
| エンジニア向け | △ | ◎ |
ゲーミングチェアは悪い椅子ではありません。
ただ、元PT視点で見ると、「長時間デスクワーク特化」とは言いにくいのも事実です。
エンジニアの椅子選びで本当に重要なのは、
- 座った瞬間の快適さ
- 見た目
- 包まれ感
より、
- 疲れにくさ
- 姿勢変化しやすさ
- 長時間でも身体に負担が少ないこと
だと思っています。
もしこれから椅子を買うなら、「8時間後に身体がどうなっているか」を基準に考えてみるのがおすすめです。